やへむぐら 季節のイラスト

無料イラストと日々の雑感

映画の原作 読み比べ

f:id:naobim:20150724173050p:plain 小説を映画化した場合、全然雰囲気が違っていたり、原作を知らない人には意味不明だったりして、がっかりすることがほとんどですが、映画のほうがいい場合がたまにあります。

ちょいワルアニキ LINEスタンプ販売中

 個人的に、原作より映画のほうがよかった、または同じくらいよかったなと思う映画をいくつかご紹介。

サイダーハウス・ルール

 孤児院暮らしの青年ホーマーが、あるカップル(キャンディとウォリー)と友達になり、孤児院を出てウォリーのリンゴ農園で働くことになるのですが、ウォリーが戦争に行っている間、ホーマーとキャンディが恋仲になってしまいます。

 小説では、体が不自由になったウォリーが帰ってきてから、いろいろあるんですが、この部分が冗長すぎるきらいがあります。映画ではいい具合にストーリーがカットされていて、さわやかに仕上がっています。(いい具合にカットされてるという意味では「デスノート」もそうかな)
 ちなみに原作はジョン・アーヴィングですが、この映画の脚本も本人によるものです。

 配役もドンピシャで、ホーマー役のトビー・マグワイアもいいですが、孤児院のラーチ先生役のマイケル・ケインがいい味だしています。

 ジョン・アーヴィングの小説「ホテル・ニューハンプシャー」も映画化されていますがこちらはいまいちです。小説の中で、主人公家族の話が映画化され、主人公がそれを観て酷評するくだりがありますが、まさにそのような出来でした。

ショーシャンクの空に

 無実の罪で服役した男のドラマです。
小説を読んだときは、スティーブン・キングぽくないな、ぐらいにしか思っていなかったのですが、映画を観ると意外に感動ものでした。どうもお年寄りの悲哀に弱いようです。
 しかしなんといっても、小説ではあまり目立たないレッドをモーガン・フリーマンが演じたことで、映画に厚みが出たように思います。

 

以降は小説と同じくらいよかったと思う映画です。

日の名残り

 アンソニー・ホプキンス主演のイギリス映画です。

  登場人物はかなり回りくどい人たちが多く、日本人と通ずるものがあるようにも感じます。ラストが切ないような救われるようないい感じです。

 一種のロードムービーであり、イギリスの地方の美しい風景が見られるところが映画のいいところですね。

 原作者はカズオ・イシグロで、「上海の伯爵夫人」という映画の脚本も書いていて、これに真田広之が出ています。
 昔から真田広之大好きで、「最終目的地」という映画でアンソニー・ホプキンスと共演してるのを観て、立派になったねーと感慨深いんですが、アンソニー・ホプキンスの恋人役って・・・

ドラゴン・タトゥーの女(2011)

 小説を読む前に映画を観ました。よく犯人役をする俳優さんがそのまま犯人だったのでどうかと思いましたが、小説が大ヒットしてからの映画化だったので、大半の人がストーリーを知っているという前提なんでしょう。

 オープニングがかっこよかったです。血なまぐさい暴力的なシーンが多いにも関わらず、下品にならないところがいいです。
 また、島という限られた空間での親族間の確執の物語というところが横溝正史ぽくていいですね。

 後で観たスウェーデン版の映画(2009)もまあまあ良かったですが、主人公ミカエルはモテモテ男のはずなのに、スウェーデン版の俳優さんはどうみても、モテそうには見えませんでした。その点ダニエル・クレイグなら文句なしです。

 小説はシリーズものになっていますが、原作者の急死で未完になっているのが残念です。続きの原稿があるという噂もありますが・・・