アセビは有毒で、馬が食べると酔ったような状態になるから馬酔木と書くそうです。小さくて白い花が房になって咲いていますが、なんとなく魚卵を思い起こしてしまいます。
血族
サントリー宣伝部にいたこともある山口瞳の私小説です。子供の頃から母親をはじめとする家族や親戚が昔のことを語りたがらず、何か隠していると漠然と思っていたら、後年になって母親の実家が遊郭であったことを知るというものです。
自分の親も昔話をするタイプではなかったし、あまり興味がなかったので両親が子供のころの話などあまり聞いたことがありませんでした。
亡父の戸籍を取り寄せて、初めて出生地や曾祖父の名前など知ったくらいです。昔の戸籍は手書きなので読みにくいのですが、旧民法時のものは一族郎党がひとつの戸籍に記載されていて、養子縁組やら、分家やらいろいろあったんだなと感慨深いものがありました。
山口氏は、母親の死後、その妓楼があった頃の様子など調べようと、新聞記事や当時を知る人を訪ねて回るのですが、自身の親戚には突っ込んで聞けないままになってしまいます。自分の親戚であっても、私的なことをあれこれ聞くのがはばかられる気持ちはなんとなくわかります。
でも自分のルーツを調べてみたいという人は早めにとりかかったほうがいいみたいですよ。
ところで、小説の中で山口氏の父方の祖父が「典型的な佐賀県人の骨格をしていた」と書いてあったのですが、佐賀県人特有の骨格ってどんなんだろう・・・