瓢
大宰府天満宮の梅の木の下でひょうたん酒を呑むと、災難除けとなるそうです。
実家の全集ものの本を整理しようとしたのですが、買取してくれるところがみつからず(在庫過多だとか)、しょうがないので、少しづつ捨てることにしたんですが、その前にちらっと読んでみました。
雀の報恩の事
「宇治拾遺物語」というのを読んでいると、「雀の報恩の事」という、昔話の「舌切り雀」によく似た話がありました。
- けがをしたスズメを介抱してあげたお婆さん。治ったスズメは飛び去って行く。
- 20日ほどしてスズメがお婆さんに瓢の種を持ってくる。お婆さん植えてみる。
- りっぱな瓢がたくさんなったので、みんなに配る。いくつかは家の中にぶら下げておき、開けてみると白米がぎっしり。おばあさん、裕福になる。
- 隣のお婆さん、その話を聞いて同じ事をしてみる(自らスズメに石をぶつけて、3,4羽骨折させる。)
- 隣のお婆さん、スズメがもってきた種を育てて実がなるが、まずくてみんな食あたり。
- それでもいくつかぶら下げておき、頃合いを見て開けてみると、毒虫が出てきて全員死亡。
大筋は同じなのですが、「舌切り雀」はやさしいお爺さんと欲張りお婆さんの話であり、瓢の種ではなく、つづらをもらうというところも違いますね。
「雀の報恩の事」で、隣人がうらやんで真似をするあたりは、「花咲か爺さん」の話とも似ています。
隣のお婆さんは、最初、やさしいお婆さんに種を分けてくれないかと持ち掛けるのですが、断固拒否されます。詳しい経緯も話したがりません。単なるお人好しではないとみました。特殊詐欺にもひっかからないでしょう。
隣のお婆さんも、子供に「同じ年寄りでも、うちの婆さんは・・・」みたいな皮肉を言われて、功を焦ったのですから、気の毒な気もします。
いじめると後がこわいぞ
スズメの手当てに「銅を食べさせる」というくだりがあって、気になって調べてみましたが、銅(緑青)は殺菌作用があって、薬として使われていたそうです。